般若心経秘鍵とは

みなさんこんにちは、副住職の隆照です

梅雨明けの時期、とてつもない大雨の中ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?

去年はずいぶん雨の少ない空梅雨でしたが、今年は一転

いかにも梅雨らしい梅雨となりまして、毎日水の中で生活しているかのような錯覚を覚える気候になっております

光明寺の奥の院の護摩のお勤めは、残念ながら雨の中でしたが、普段とはちょっと違う神秘的な霧に包まれた中、しかし、とっても高い湿度と共に行われました

これだけ湿度が高いと、なかなか護摩に使う木が燃えづらく、いつもよりも火が上がらない中でしたが、皆さんのお願い事が書かれた添え護摩をしっかりと燃やしきることができました

実は先日、お坊さん内の講習会がありまして参加してきました

その内容というものが、皆様がよく知っている般若心経

様々な宗派で使われているこのお経ですが、各宗派の祖師さんで解釈が少しづつちがったりします

何故かといえば、元は般若経という600巻もある長ーいお経の内容を、要点だけ抜き出し262文字にまとめたものですが、短くしたがために理解するのが難しく、いろんな人が自分の修行の到達点からの感想を踏まえて、解説書を出しております

そして、そんな中でも私たち真言宗の代表格は、弘法大師空海の書いた(説いたとも)般若心経秘鍵というものがあります

私はまだ学生の頃のに、この秘鍵を講義で聞いていましたが、、、なんのことかさっぱり?www

まだお坊さんの修行も始まってなかったので、当時の私には高度すぎて呪文を聞いているがごとし

その証拠に、今回の講義に向って久しぶりに開いたテキストには落書きの山w

そんなこともあり、お坊さんになってから、秘鍵は詳しく勉強したいと思っていたのですが、今回機会を頂けたのに飛びついたわけです

講義の最中は非情に興味深い内容の山ですが、同時にこの内容はやはり大学生の私には難しすぎたのだなーという納得

文章の解説を聞いていくと、お大師様の宗教観というものが一端ですが見えてきます

そんな中で一番気にいった内容というものがありました

それは現実世界の目に見えることばかり考えると、迷いの境地に入り込んでしまって、少しも先に進むことができない

お大師様は先に進めないことを横のつながりと表していました

反対に良い教えというものはタテに伸びていく教えであると表しています

このタテというのは未来、時間に対する考えです

仏教とは時間に対する教えかもしれない、というものが私の理解です

過去のご先祖様を大事にすることによって、現在の私たちに繋がり、そして未来、私たちの子供たちへと色々なものを残し、繋げていく

そんなタテの繋がりの手助けをするのが仏教という教えであると私は感じました

ご先祖様を大事にして、現在の自分を大事にして、そして未来を作るであろう子供たちを大事にする、そうすると今の自分がいる世界が極楽浄土であると気が付くことができる素地ができる

それがお大師様の教えの根本にあるのだなと感じれました

皆様も自分の周りだけでなく、タテの繋がり、過去から未来へ続くものは何か?と考えてみていただければ幸いです

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