秋の彼岸は秋穂の賑わい

皆さんこんにちは

今年の彼岸は、コロナと共に過ごす時間となりました

お寺側も感染防止策を探りつつ過ごしております。

他のお寺さんの話も、よく耳に入ってきますが、皆さん暗中模索ながらもなんとか現状と闘っていっている現状ですね

なかなか一足飛びにはいかないものですね

そんななかで光明寺の秋の護摩、彼岸のお勤めは形を少し変えながらも、無事に行うことができました。

例年でしたら、午前中に護摩を勤めて、お昼ご飯をお接待させていただいて、午後から地域の方たちみんなでお勤め、という流れになるのですが、今年はお昼ご飯のお接待は無しで、窓は全て開放した状態で行いました

やはり彼岸、秋分の日というのは世間も休日になるので、護摩のお勤めも、普段ではなかなか揃わないような顔ぶれの方たちが集まっています

小学校に上がった子たちも来れたので、本当に雰囲気がキラキラと明るい感じがしております

いつも書いてますが、子供の力ってすごい

今月は護摩のお焚き上げする木が、よく乾いていたおかげか、非常に火の勢いが強くなりました…手が熱い!

思わず火傷しそうな場面もありましたが、本尊さんの忠告で「気を緩めるな」と言われているのだろうと思い、改めて気を緩めることなく、物事に取り組んでいこうと決意。

お勤めの最中に色々考えたり、思いついたりする瞬間がありますが、それこそが仏様からのお諭しであったり、小さな悟りの瞬間だと私は思っています。

ですので、お勤めの最中に思いついたことは、なるべく忘れないよう、気をつけるようにしています。

そんな護摩も無事に終わり、住職の話。

奥の院の山の護摩でもお話しましたが、お大師様の記念の年なので、皆さん是非写経をお願いします。という一連の流れから、地獄のお話を少々していました。

この時私はどうしていたかと言うと、外で子供たちのお守りです。

…もしかしたら、私の方が子供たちに遊んでもらっているのかも?(笑)

みんな楽しそうなので問題ないですかね^^

お昼のゆったりとした休憩時間では、子供たちは元気いっぱい。

なんと、小さなトカゲの赤ちゃんを見つけてそれを鷲掴み

みんな可愛い顔して、行動が男前すぎるよ…

それでお母さんがトカゲ持って追いかけられるものですから可哀そうなのに、微笑ましい(笑)

その後に1時より、地域の皆さん集まってのお勤めです。

やることは簡単なのですが、皆さんの慣れた声と揃った声量がベテランの迫力を出しています。

そしてここで住職の話なのですが、先ほど護摩の時に少しだけ話していた地獄の話を、ここで心おきなく話しています。

どうやら、護摩のときに全部話してしまうと、後の話題が無くなってしまうと小出しにしていたみたい。

地獄とはいろんな種類があって、とても長い期間居ないといけないのですが、基本的には救われるため、悪いことした反省をして良い方に行くために地獄はあるのですよ、というお話。

しかし、それを聴きながら私は自分の師匠を思い出していました。

高野山で修行を見ていただいたとき、師匠はこの地獄の話が好きでよく私たち修行僧たちにしていたものです。

地獄はあるんだ!と毎日、手を替え品を替え言われ続けると、はたして地獄とはなんだろうか?と考えるようになり始めました。

私たちお坊さんは、そんな調子だったのですが、この師匠、一般の檀信徒の方にも同じような地獄の話をしたものですから、聞く人たちは事前知識が足りない状態で聞いていたので、ポカンとした顔をしながら聞いていたのを今でも覚えています。

そんな地獄ですが、生前の罪によって落とされる場所が違っていて、数多くの悪いことをした人ほど、深い地獄へ落とされます。

そしてその判決が下されるのは、亡くなってから49日間と言われています。

一般にその期間は、喪中、忌中など、いろんな呼び方がありますが、初七日、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)などの期日ごとに、新しい審判を受けていくと伝わっています。

だから、私たち生きている側の人間は、亡くなった人が少しでも良い場所に行けるように、期日ごとに皆んなでお経を唱えて応援してあげるのです

お経の力はすごい功徳があると言われているので、みなさん是非応援してあげてください。

九月の護摩は、悲しいお知らせ

皆さん、こんにちは。

九月になってようやく少しだけ涼しくなってきました。

今年の夏は本当に灼熱という言葉が当てはまる暑さと、雨の少なさでした。

光明寺のある赤穂市有年では、まとまった雨が8月中なんと一日もないということで、いろんなものがミイラになるかという異常気象でした。

それが、秋雨前線の影響でなんとか雨もチラホラ降りだしてくれているので、少し安心しています。

ほんと、時代が違えば、干ばつ飢饉で死者がでるような状況でした。

さて、そんな光明寺の9月の山の護摩は、雨が心配された予報でしたが、爽やかな青空の元で無事に行うことができました。

お堂を開け放していると、抜けていく風が非常に心地良かったです。

皆さん思い思いのお願い事を祈願されて、ご自身でも真剣にお祈りされていました。

護摩が終わって住職の話では、題名に書いた通り悲しいお知らせが

今年の10月末に高野山での、お大師様が「弘法大師」という名前をいただいて1200年を記念して、高野山では全国各地からのお写経を集めて、お大師様に届けるという、大きな法要を行う予定だったのです。

私たち光明寺もそれに伴い、バスを借りて、皆さんで高野山にお参りしようという企画をだしていたのですが、残念ながら中止せざるを得ない状況になりました。

私も皆さんと、高野山へのバス旅行、普段はなかなか話す機会のない人たちとも会えるときであったので、残念です。

しかし、高野山としては、全国からのお寺の檀家さんをお招きするという事はできないものの、お大師様に皆さんの気持ちをお伝えするお勤めは、小規模ながら全国のお坊さんを招いて行うので、その時に奥の院に納める写経を募っています。

上記の写真に写っているのが、今回納める写経です。

写経は普段は般若心経というお経を書いていただいていますが、今回はより多くの人にお大師様に思いを伝えていただきたいからという理由で、より簡単な大師寶号「南無大師遍照金剛」という言葉を10回書いていただくだけのものになりました。

皆様を高野山へお連れすることは叶わなくなりましたが、代わりにこの写経を奥の院にお連れしていってきます。

山の護摩に来られた方々も、この写経を皆さん持って帰っていただいて、書いてきますと言っていただきました。

従来の形からは変わってしまいましたが、皆様のたくさんの思いがお大師様に伝わればいいと思っております。